出雲南京のこと
2012年11月15日
熱帯植物室の中央にあるピラルクの池のそばに、「出雲南京(イズモナンキン)」という金魚が住んでいます。
「どうして熱帯植物室に『金魚』なんだろう」と、思われる方も多いでしょうね。
この金魚、以前、市民から頂いたものです。
この金魚、とても希少価値があり、島根県の天然記念物に指定されています。ほとんど流通していません。かつては、絶滅の危機にもあったようです。
特徴は、「頭部が小さく、背ビレがなく、四つ尾」などですが、池の上から距離を置いて見ているので、ほとんど市販されている他の金魚との違いがわかりません。
おまけに、この池は、滝の水が直接大きな音を立てて落ちてくる池で、滝の水が流れている間は、ほとんど見ることが出来ません。 ミュージアム内には他に住む所が無いので、ここに住み続けています。
たまに滝の内側からのぞいてみると、滝の音を気にする様子もなく、ゆらゆらと泳いでいるのが、少し見えます。
これほどの池で、人目を気にせず、のびのびと泳いでいられるのは、このときわミュージアムの金魚くらいかもしれませんね。
何しろ、すでに体長が1mに達したピラルクが住む池とほぼ同じサイズの池に住んでいるのですから。
この池のそばを通るたびに、ふと出雲南京に耳打ちしたくなります。
「隣の池には、肉食魚のピラルクが住んでいるんだよ。小魚が大好物なんだって!」 (D)
ピラルクと出雲南京の池。展望デッキと並んで、熱帯植物室のシンボル的なスポットですね。
「出雲南京の池」。滝が流れている間は、その姿を見ることが出来ません。
滝がとまったら、数十尾の出雲南京が、ゆらゆらと泳いでいるのが見えます。