ミズレモン
2012年11月14日
今日紹介する熱帯植物室に仲間入りした植物は、「ミズレモン」です。
出口付近にある滝のある山のふもとに植えてあります。間もなく蔓が山をのぼり始めます。
トケイソウ科トケイソウ属で、学名は「Passiflora laurifplia」。学名にあるLaurifpliaは、月桂樹の葉に似たという意味です。
レモンという名前がついていますが、レモンではなく、パッションフルーツの仲間です。実は、黄色いレモンのようなパッションフルーツという感じです。
温室の出口はクダモノトケイソウ(実は緑~赤)が茂っていますので、実のなるタイミングが合えば、黄と緑や赤のパッションフルーツが同時に楽しめそうです。
ところでパッションフルーツの「パッション」って何でしょう。
「情熱」。
ではないですね。
この場合の「パッション」は、「イエスキリストの受難」のこと。受難とは、イエスキリストの裁判から磔刑までの出来事とそれを受けるキリストの精神的肉体的苦痛のこと。
この植物の花の色々な部分が、キリストの受難に関連する物事に似ていることに由来していようです。花の形が「茨の冠」、5本の雄しべが「キリストの五か所の傷」、3つにわかれた雌しべが「十字架に架けられているキリストの姿」。
見る人が見たらそのように見えるのですね。私には一番外の雌しべの形から、やっぱり「時計」に見えますね。
でも、この植物としては、時計やキリストの処刑に似せようとしてこのような花の形をしているのではないでしょうにね。
「あのねぇ、あなた達ねぇ」なんて、この植物の声が聞こえてきそうです。 (D)
「ミズレモン」。2本植えてあります。枝の一部はすでに山を登り始めています。
これは、ミュージアムで咲いていた「クダモノトケイソウ」の花。ミズレモンの花がまだ咲いていないのでこの写真で紹介します。ミズレモンの花にそっくりです。あなたは時計に見えますか、それともキリストの処刑に見えますか。
これも「クダモノトケイソウ」の実。熟れる前は緑色です。ミズレモンはこの形で黄色をしています。