巣立ち
2012年09月09日
先日、早朝から「ときわミュージアム」の中庭に面したガラス壁に女性職員が集まって、
中庭を見ながら何やら深刻な表情をしていました。
行って見ると、中庭にヒヨドリ(?)のヒナが3羽、
ガラス戸のそばにたたずんでいました。
いつの間にか、
中庭の木に巣を作っていたのですね。
ここならヘビもカラスも来ないので安全です。
しかし、目の前の状況は、深刻でした。
状況からして、巣立ちの為に飛び立とうとしたヒナが
ミュージアムのガラス戸にぶつかって
落下したと思われました。
親鳥が近くで見ています。
時々3羽に餌をやりに来ます。
「ケガをしているのではなかろうか。」
「捕まえて、建物の外に出してやろうか。」
「元の巣に戻してやったのがよいのではないか。」・・・等々、色々な意見が交わされます。
結局、どう対応すべきか誰もわからなかったため、
ときわ公園の鳥の専門家に聞いたところ、
「親鳥が世話をしている間は、そのまま見守ってください。もし、親が放置したら私が参ります。」
とのことでした。
さすがにプロですね。
翌日の夕方までには、3羽とも飛び立っていました。
先日のときわ公園で行われたイベントの出店で、
「焼き鳥」を食べた身ながら、
この小鳥たちには心配させられました。
帰宅後、巣立ちについて調べていたら、
あるサイトに
「人は、『巣立ち=一人前』というイメージを持っているが、そこが勘違いの始まりです。
『飛べない=巣から落ちた?=ケガをしている?=巣立ちの失敗?』と考えて、ヒナたちを保護してしまうのです。
こうして保護センターや病院に持ち込まれるヒナのほとんどは、じつは保護の必要がない巣立ちヒナです。」
とありました。
全く、私達を見ながら書かれているような気がしました。
メールなら、「汗・汗・汗 ↓」。
こんな感じでしょうか。反省。
ときわ公園の大きな森の中で、
自然を相手に仕事をしていると、
人間の社会とは異なった動植物の色々な出来事に出合います。
そして「命」や「痛み」にとても敏感になります。
でも、正しい知識で敏感にならなければいけませんね!!
何はともあれ、巣立った3羽が
たくましく生きていくことを願います。 (D)
「ときわミュージアムの中庭」。中庭にある一本の木に、いつの間にか巣を作っていました。
ヒナの何とも言えない表情が、哀愁を誘います。
近くで心配そうに見ていた親が、時々、餌をやりに来ます。