ここは故郷
2012年10月24日
これまで行った植物園で、もっとも感動したのはシンガポール植物園です。
約63ヘクタール(東京ドーム13個分)の植物園敷地の隅々までが、まるでおとぎの国のテーマパークのように見事に演出・整備され、夢の中にいるようでした。
ときわミュージアムのような温室植物園と屋外の植物園とはスケールも趣も意義も異なりますが、あの素晴らしい植物園を思うと劣等感すら感じます。
ところが、今年のまだ肌寒い春先、そんな思いが吹っ飛ぶような嬉しい事がありました。
ある日、シンガポールの青年がときわミュージアムの温室を見学した後、私に言いました。
「この温室は素晴らしい。まるで故郷に帰ったようです」
「シンガポールには、もっと素晴らしい植物園があるではないですか」
「ええ、あれは素晴らしいです。でも、ここはまるでシンガポール。日本にいるのにシンガポールです。それが素晴らしいです」。
数日後、今度はインドネシアの青年二人がやってきました。温室見学後、私に言いました。
「この温室は素晴らしい。まるで国に帰ったようです」何故か同じセリフでした。
「この温室にある植物は、ジャカルタの自宅のまわりにある植物ばかりですが、そこがいい。ここは、ジャカルタそのものです。それに日本は寒いのに、ここは温かい。自宅に帰ったようです。この温室から出たくありません」。
「日本にいるのに、まるでシンガポール。ジャカルタそのもの」。これ以上の賛辞はありません。
次は、メキシコからのお客様に、自慢のサボテン室を見ていただいて、感想を聞いてみたいですね。
でも、
「ちょっと違う」って言われたらどうしよう。 (D)
「熱帯植物室」。東南アジアの人達に絶賛されるのが、嬉しいですね。
熱帯植物室のヤシコーナーは、土壌工事中です(10月22日~26日)。御迷惑をおかけします。
一口にサボテンと言っても、自生地は南北アメリカのかなり広範囲にわたっています。色々な地域のサボテンが、混在して展示されていますが、自生地から来た人達が、故郷を懐かしんでくれると嬉しいですね。