清楚な?「サラセニア」
2012年12月14日
今日は、食虫植物の「サラセニア」を紹介します。
三つの温室の最初にラン室があり、ラン室の入口近くに食虫植物コーナーがあり、食虫植物コーナーの最初に「サラセニアコーナー」があります。
展示の上では、結構重要な位置を占めています。
クラリネットをスマートにしたような姿をしています。一見、清楚で品が良さそうで、とても虫を捕まえて食べている植物には見えません。
しかし、その先端についている蓋を見た時、危機管理意識のしっかりした虫なら「怪しい!!」と思うはずです。
ハエトリソウ等には名前負けしますが、そのユニークな姿・形は、食虫植物コーナーを見ごたえあるコーナーにするためには欠かせません。
葉が細長い筒状になっており、そこに虫が落ちて底にたまった液(消化液)に溺れて死ぬと、その消化液(消化液ではない場合は、その液体の中に生息する細菌)により分解され、吸収されます。
筒状になった補虫器の先端には、ウツボカズラと同じように屋根のような蓋が付いており、蓋の裏は滑りやすくなっています。筒の内側には、下向きに毛が生えていて、虫を下に落としやすくなっています。
補虫の能力としては、ウツボカズラやブロッキニアに比べれば、かなりシンプルです。
色気や甘い匂いで虫を誘い込み、逃げようとした虫に糸のようなものをひっかけたり、上までのぼってきた虫をネズミ返しで追い落とすようなひどいことはしません。
何となく「良い人」っぽい雰囲気があります。
ところで、先日このコーナーのそばを通りかかった時、サラセニアの筒の入口に、1㎝位の羽の生えた虫がとまっていました。
「おっと、危ないな~、 落ちたら食べられるぞ!」
逃がしてやろうと思って近づいたら、虫が私の気配に気づき、何を思ったか、筒の奥の方に走って逃げて行きました。
「あっちゃ~!どうして走って逃げるんだ。せっかく羽根があるのに・・・」
あわてて筒の中を覗いたら、相当奥深く逃げたようで、虫の姿は見えませんでした。
きっと消化液に頭から突っ込み、狭くて身動きできないまま消化されたことでしょう。
「虫に悪いことをしてしまった。」 (D)
「サラセニアコーナー」。みんな同じように見えますが、10数種類のサラセニアが展示されています。
補虫器の先端の屋根のような蓋。やっぱり怪しいですね。
こんな可愛いサラセニアもいます。