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第5回環境サロン 「持続可能な環境と人づくりについて~羊の飼育を通して見えてくること~」

2017年09月17日

9月15日の環境サロンでは、宇部高専の三谷知世先生に、東京高専時代にヒツジを飼育して、構内の除草をされた経験から得られたことをお話ししていただきました。

三谷先生は機械工学(東京高専、東京都)、農学(東京教育大学)、化学工学(東京工業大学)、1983年から東京高専で化学工学、微生物学、環境工学の教育研究と非常に幅広い分野を経験され、2014年から宇部高専校長として管理職に就いておられます。

東京工業高等専門学校は、八王子市の丘陵地に位置し、広い敷地内には雑草が繁茂するため、ヒツジに除草させたらどうかと発想され、5年間、途中科研費も得ながら、ユニークな実践をされました。

温暖化の寄与を考えた場合、100m2の草を刈るための、CO2の発生は、ヒツジの場合、6.8kgに対してガソリンによる草刈り機の場合は0.23kgと少ないが、ヒツジの場合はカーボンフリーなので0kgの評価になる。

ところが、ヒツジの場合は、メタンが0.16kg発生し、温暖化係数が21であるので、CO2に換算して3.4kgとなり、草刈り機の0.23kgの10倍以上の負荷になるが、総合評価としては、物質循環や、コミュニケーション、癒し効果などさまざまな要素を含めて考える必要があるということです。CO2が温暖化の主因であることに対して異説もある(メタンの温暖化係数の検証も必要かも)。

ただ、ヒツジは20種以上の雑草を食べるが、有毒なフキやセイヨウヤマゴボウや、無毒だがヤブガラシ、ドクダミ、エビツルを食べないので、これらは人の手で刈る必要があるそうだ。フキが毒とは知らなかったですが、セイヨウヤマゴボウが毒があること、ヤブガラシの繁殖力の強いことも最近意識していたので、身近に感じました。

ヒツジは1日に15から20m2分、約10kgの草を食べ、約 2kgの糞と約7Lの尿をする。
そそて約370gの炭素をCO2とCH4として排出するという結果が得られたとのこと。

もともと、牧場から4頭のヒツジが入れられたが、驚いたことに、10ヶ月後に雄の子羊と雌の間にこどもが生まれたそうである。妊娠期間が5ヶ月ということなので、まだ母乳を飲んでいた位の子羊が・・・、草食動物なのに肉食系ということで驚かれたらしい。これについては後の議論で、草食動物は肉食動物に食われる危険があるので、早熟にできているのではないかという指摘があり、なるほどと思いました。

ヒツジを機械として見た場合は、わずか70kgの身体で、高効率でしかも電気も不要で、とても高性能な機械である、糞製造装置の部分も、機械であんなきれいにころころのものを作ることはむずかしいと言われたことは、新鮮に響きました。

物質循環の面から言うと、ヒツジ糞は生ごみと共に1ヶ月程度で良質な堆肥を作ることができる。あるいはスーパーから野菜くずも冬期のエサとして利用ができ、一石二鳥であること。また、コストの面では、構内の一部の4400m2を1回刈るのに約40Lのガソリンと、2週間の期間がかかり、経費は約100万円になる。一方ヒツジは4頭で、約44日を要するが、人件費を無視すれば0円ということになる。

前述したように、その他、副次効果として、保護者の協力、学生近隣住民への癒し、スーパー青果店の協力等が挙げられた。産廃として処分されるところ、店からも喜ばれ、一挙両得と言うところ。果物も試したが、ヒツジは大好きで、ただ糖尿や肥満になるのでむずかしい面があるとのこと。

このような動物と共生できるまちづくりを進めたい想いがあるとされた。

保護者とのコミュニケーションについては、毛刈りを本職の人にお願いし、あとは洗濯して、紡糸したり、そのままヒツジの置物をつくり、1個500円で200個売れ10万円は冬期のエサ購入代に充てられた。干草はオーストラリア産でkg60円するそうだ。これら全て保護者の女性軍がやっていただいたということでした。

学生や近隣住民への癒し効果については、十分効果があったようです。
朝の7時から夜の7時まで、365日の世話が必要でしたが、三谷先生はじめ4人の卒論生もしっかり面倒をみてくれたとのこと。ただ残念ながら、宇部に来られる前に元の牧場に返されたそうです。

まちの中にこのような自然の動物たちが共存する環境は非常に望ましいと思われますが、野良ネコの問題にしても、実際には難しい課題があるようです。

質疑では、以下のような議論があった。
・六甲の山から神戸大学の構内にイノシシが降りてくることがあったが、身の危険を感じることもあった。三宮に降りてくることもある。
→構内の外に逃げ出すことが心配だった。牧羊犬ならぬ、牧羊ロボットがあった方がいいかもしれない。
・近くでヤギを飼っている人がいるが、なぜヒツジなのか。木も食べるか。
→はじめはヤギを考えたが、ヤギは角を持ち、突進して攻撃する場合があるので、おとなしいヒツジにした。新芽など食べる。幹をかじることもある。
・なぜ、ヒツジの糞は丸いのか。
→ヤギもシカも丸い。大腸、肛門の構造や水分含量が少ないことによるのでは。
・家でウサギを飼っているが、ウサギの糞も同様。ただ、途中長いうんこを出してそれを食べる。ウサギは鳴かないが、感情は伝わるので、癒しになる。
→昔は小学校でウサギ小屋が多かったが、今はほとんど飼われていないようだ。こういうのもこども達の教育にはいいと思う。
・Jーアラートで北海道上空を通過なのに、東京の交通機関が止まるというのもおかしい。責任逃れの風潮が大きすぎるのではないか。
・持続可能な社会実現のための人材育成ということについて、実業界は、部品や単位操作につよいというだけではなく、経営を含めたシステム全体で勝負できるような人材育成がもとめられるだろうが、技術者を養成する高専の教育において、どのように感じられているか。また、複数の視点を持つことの大切さについても触れられたと思うが。
→技術者倫理も大事にしている。複数の視点を持つことも大事で、たとえば機械の良さと生物の良さ、両方をみること、異分野の専門のお人達と同じテーマに取り組むことも、人間力やコミュニケーション力を育てるのに重要だと思う。

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